検査説明・統計データ

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検査値の見方について

検査値の見方

この「検査値の見方」は当院での検査項目の説明および基準値になります。参考資料としてご覧ください。
なお基準値の見直しを行いましたので、改訂された項目があります。病気の有無などは他の検査と合わせて総合的に判断しますので、ご不明な点につきましては医師等へご相談して下さい。

※基準値とは健康であると判断された人の95%の人が示す数値であり、この基準値と測定値を比較することで病気の有無を知る目安となります。ただし測定値は年齢・体質などの個人差や食事などの影響により変動することがあります。

一般検査
検査項目略語基準値単位検査結果の解釈
便検査便ヘモグロビン便Hb100未満
陰性
ng/m消化管からの出血があると便中に潜血(Hb)が認められます。潜血(Hb)が陽性の場合は、消化管の潰瘍や癌、ポリープ等を疑います。下部消化管由来のHbは微量の出血でも検出する事ができ、便中Hbの測定は大腸がんに対して有効な検査です。
便トランスフェリン便Tf50未満
陰性
ng/m便Hb検査と同様に大腸がんに対して有効な検査です。便Hb検査だけでは判定困難な場合、併用することで正確な結果が得られます。
虫卵検査(-)便中の寄生虫卵の存在を調べる検査です。虫卵が見つかれば寄生虫感染が疑われます。
尿検査比重1.005~
 1.030
尿の比重はその中で溶けている物質の量で変化します。一般に尿量の減少する脱水症などで高くなり、尿量の増加する尿崩症などで低くなります。糖尿病では多尿にもかかわらず比重は高くなります。
pH4.5~7.5通常は酸性で、尿に含まれる物質で変化します。発熱や脱水症では酸性に傾き、尿路感染等でアルカリ性に傾きます。
潜血BLD(-)尿中に赤血球が存在するかを調べる検査です。赤血球があると潜血(+)となりその場合は、腎・尿路・泌尿器系の炎症、腫瘍、結石などを疑います。
蛋白PRO(-)血液中の蛋白は、腎臓で濾過と再吸収が行なわれ再び血液中に戻ります。健康人でも少量の蛋白は尿中に出ることがありますが、腎炎など腎機能に異常があると、尿中に多量の蛋白が出現します。
GLU(-)血液中の糖は、腎臓で再吸収が行なわれ血液中に戻ります。糖尿病のほか、膵炎や内分泌疾患、腎疾患などでも陽性になります。
ビリルビンBIL(-)赤血球が壊れてできたビリルビンは、通常尿中には出現しません。肝疾患(肝炎・肝癌)や胆道系の閉塞(胆管癌や膵癌)などで陽性になります。
ウロビリノーゲンURO(±)ビリルビンから変化したウロビリノーゲンは、僅かに尿中に出現します。肝障害や溶血、腸閉塞などでその量が多くなります。
ケトン体KET(-)体内の脂肪がエネルギーに変わるとケトン体が作られます。通常尿中には出現しませんが発熱や脱水状態、重症糖尿病、内分泌腫瘍などで陽性になります。
ペプシノーゲンPG1
PG2
 
PG1/PG2
70.0未満且つ3.0未満ng/m胃液中の蛋白分解酵素であるペプシンの前駆物質で、胃底腺より分泌されるペプシノーゲンⅠと、胃全域から分泌されるペプシノーゲンⅡに分類されます。胃癌との関連性がある進行した萎縮性胃炎発見のスクリーニングに利用されます。
ヘリコバクター・ピロリ抗体HP抗体2.9以下
(-)
U/mLヘリコバクターピロリは胃粘膜に生息し、胃潰瘍・十二指腸潰瘍・慢性胃炎などを引き起こす起因菌です。 
陽性はピロリ菌に感染していたことを示唆します。10.0U/ml以上は(+)となり、3.0~9.9U/mlは(±)判定保留となります。
ヘリコバクター・ピロリ抗原Hp抗原(便)(-)ヘリコバクターピロリは胃粘膜に生息し、胃潰瘍・十二指腸潰瘍・慢性胃炎などを引き起こす起因菌です。 
陽性は現在ピロリ菌に感染していることを示唆します。
血液検査
検査項目略語基準値単位検査結果の解釈
赤血球系赤血球数RBC男 435~555
女 386~492
104/μLヘモグロビンや塩類、酸素を含み、肺から組織へ酸素を、組織から肺へ二酸化炭素を運搬します。 脱水・ショック・多血症などで増加し、貧血・出血などで低下します。
ヘモグロビンHb男 13.7~16.8
女 11.6~14.8
g/dL赤血球中にあり細胞のエネルギー産生(活性)のための酸素を運びます。貧血の程度や赤血球増加症の診断に役立ちます。
ヘマトクリットHt男 40.7~50.1
女 35.1~44.4
%血液中に占める赤血球の割合(%)を表します。Hbと同様に貧血の程度を知る上で参考になります。
赤血球恒数貧血の程度や多血症の診断に役立ちます。RBC、Hb、Ht、赤血球恒数から総合的に判断します。
平均赤血球容積MCV83.6~98.2fL平均赤血球容積(赤血球1個あたりの大きさ)
平均赤血球赤色素量MCH27.5~33.2pg平均赤血球ヘモグロビン量(赤血球1個あたりに含まれるヘモグロビンの量)
平均赤血球赤色素濃度MCHC31.7~35.3%平均赤血球ヘモグロビン濃度(赤血球に含まれるヘモグロビンの濃度)
網状赤血球Ret2.00~27.00骨髄における赤血球産生の程度が分かります。特に再生不良性貧血や溶血性貧血の推定、貧血治療の効果判定に有用です。
白血球数白血球数WBC3300~8600μL病原体を貪食し生体防御機構の要となっています。白血病や細菌感染症、炎症、組織破壊性の疾患などで高値を示し、造血幹細胞の障害などで低値を示します。
白血球分画好中球ST
SEG
0.0~10.0
34.0~70.0
%感染などの炎症性変化に際して速やかに反応する細胞で、貪食殺菌能があります。
リンパ球LY23.0~57.0%免疫機構において重要な役割を果たしている細胞です。Tリンパ球(細胞性免疫)とBリンパ球(体液性免疫)がありますが、血液標本からは区別することができません。
単球MO1.0~8.0%体内の免疫機転と密接な関係があり、慢性感染症で増加します。
好酸球EO1.0~8.0%炎症性病変に対して鋭敏に反応し増減します。寄生虫・アレルギー疾患で増加します。
好塩基球BA0.0~2.0%数が少なく生理的にも消失することがありますが、慢性骨髄性白血病等で末梢血液中に増加します。
血小板系血小板系PLT15.8~34.8104/μL出血した際に血液が血管外に漏出するのを防ぐ(止血)作用と、血管を収縮させ出血量を少なくして血圧を維持しようとする働きを持ちます。骨髄での産生低下や血小板の破壊亢進(肝硬変、膠原病)などで減少します。
出血・凝固・線溶出血時間5以下耳朶に小さな傷をつくり、止血されるまでの時間を測定します。止血に5分以上かかり、血小板数に異常がない場合には血小板機能異常症が考えられます。
プロトロンビン時間PT9.6~13.1
70~130

%
止血に関わる外因系凝固因子(Ⅶ)及び共通系因子(Ⅰ・Ⅱ、Ⅴ、Ⅹ)の状態を総合的に判断します。重症肝障害、ビタミンK欠乏症、抗凝固薬投与(ワーファリン)、DICなどで延長し、活性(%)は低値となります。
活性化部分
トロンボプラスチン時間
APTT24.0~34.0内因系凝固因子(Ⅶ・Ⅷ・Ⅸ・Ⅺ)及び共通系因子(Ⅰ・Ⅱ、Ⅴ、Ⅹ)の状態を総合的に判断します。APTTが延長するほど出血しやすい状態にあります。血友病や重症肝障害、抗凝固薬投与(ヘパリン)、DICなどで延長します。
フィブリノーゲンFIB200.0~400.0mg/dL止血機構の中心的な役割を担うほか、生体の防御反応にも関与しています。組織の炎症や破壊などで高値となり、DICや大量出血、重症肝障害などで低値となります。
フィブリン・フィブリ
ノーゲン分解産物
FDP5.0以下μg/mL生体内で生成したプラスミンがフィブリン或いはフィブリノーゲンを分解してできる分解産物で、生体内で線溶が亢進しているかを知る指標となります。DICや血栓症、悪性腫瘍、手術後などで高値となります。
DダイマーD-D1.0以下μg/mL生体内で血栓が形成され、線溶が働いた際に増加します。悪性腫瘍やDICなどで高値となります。
輸血検査
検査項目略語基準値単位検査結果の解釈
血液型ABO型日本人の割合A型
B型
O型
AB型
40%
20%
30%
10%
赤血球の表面にはA型・B型と2種類の抗原があり、A抗原を持つものがA型、B抗原を持つものがB型、A抗原とB抗原の両方の抗原を持たないものがO型、A抗原とB抗原の両方の抗原を持つものがAB型となります。また血清中には抗原と特異的に結合する抗体が存在し、A型にはB抗原と反応する抗B抗体、B型にはA抗原と反応する抗A抗体、O型には抗A抗体と抗B抗体、AB型にはどちらの抗体も存在しません。ABO血液型不適合輸血は重篤な血管内溶血を引き起こし、致命的な急性溶血性副作用を惹起し得ます。
したがって血液型は輸血に際して、同じ血液型を使用する必要性があります。
Rho(D)Rho(D)(陽性)
Rho(D)(陰性)
99.5%
0.5%
ABO血液型のほかにRho(D)という型があり、D抗原を持っている人をRho(D)陽性、持っていない人をRho(D)陰性としています。一般的にはRh(+)・Rh(-)と表示してあることもあります。
生化学検査
検査項目略語基準値単位検査結果の解釈
糖検査血糖(グルコース)GLU男 435~555
空腹時73~109
食後  140以下
mg/dL糖は体内のエネルギー源として、常に調節された状態で血液中に存在します。血糖値が高い場合は糖尿病を疑いますが、その他膵臓や肝臓疾患、内分泌(ホルモン)でも上がることがあります。
ヘモグロビンA1cHbA1c4.9~6.0%赤血球中のヘモグロビンの一部は、糖と結合して存在します。この検査では1~2ヶ月前からの血糖値の変化を知ることができるため、糖尿病患者のコントロール状態をみるのに有用です。
インスリンIRI空腹時
13.7以下
μ IU/mLインスリンは膵臓のランベルハンス島(β細胞)より分泌され、血糖をさげる作用があります。
脂質検査総コレステロールTC142~248mg/dL血管を丈夫にしたり、ホルモンの産生を助ける大切な脂質のひとつです。しかし過剰な状態が続くと動脈硬化を引き起こし、狭心症や心筋梗塞の原因となります。甲状腺機能亢進症、肝硬変、栄養失調などの場合は低値を示します。
中性脂肪TG男40~234
女30~117
mg/dL体内のエネルギーを造る主成分です。高値を示す最大の原因は肥満ですが、これが持続すると動脈硬化の危険因子にもなります。飲酒や糖尿病等でも高値となり、肝硬変や栄養失調では低値となります。
HDL-コレステロールHDL‐C男38~90
女48~103
mg/dL血管内や各組織から余分なコレステロールを取り除き肝臓へ送り返す作用があり、善玉コレステロールと呼ばれいてます。これが減少してくると動脈硬化を引き起こす原因となります。
LDL-コレステロールLDL‐C65~163mg/dLコレステロールを全身に運ぶ役割を果たし、血液中に多くなると動脈硬化を引き起こします。悪玉コレステロールと呼ばれています。
肝・胆道系検査アスパラギン酸
アミノトランスフェラーゼ
AST13~30U/L肝臓でアミノ酸を作り出す大切な酵素で、細胞や組織の破壊によって血液中に増加します。
急性肝炎、慢性肝炎、肝硬変、肝癌、閉塞性黄疸などの肝・胆道系疾患で上昇します。
尚、AST(GOT)は心筋梗塞や筋ジストロフィー、筋炎などの筋肉疾患でも上昇します。
アラニンアミノトランス
フェラーゼ
ALT男10~42
女 7~23
U/L
乳酸脱水素酵素LD124~222U/L体内のほとんどの細胞中に存在する酵素で、細胞や組織の破壊によって血液中に増加します。肝疾患をはじめ心疾患、腎疾患、悪性腫瘍、貧血などでも上昇します。
γ -グルタミ-ルトラント
ペプチダーゼ
γ GT男13~64
女9~32
U/L肝臓や腎臓の組織内に存在する酵素で、特にアルコールや薬物による肝疾患、胆汁のうっ滞がある胆道系の疾患で異常値を示します。
アルカリホスファターゼALP38~113U/L肝臓や骨に多く存在する酵素で、肝疾患、胆汁がうっ滞する胆道系疾患、骨疾患で異常値を示します。
コリンエステラーゼChE男240~486
女201~421
U/L骨格筋や神経組織に存在する酵素で、慢性肝炎、肝硬変、肝癌などの慢性びまん性肝疾患、有機リン中毒などで低値を示し、脂肪肝やネフローゼ症候群、甲状腺機能亢進症などで高値となります。
総ビリルビンTB0.4~1.5mg/dL古い赤血球が壊れて作られる物質で胆汁色素の成分となります。肝疾患や胆汁の流出障害、或いは溶血などで高値となります。
直接ビリルビンDB0.0~0.4
心筋クレアチン
 ホスホキナーゼ
CK男59~248
女41~153
U/L筋肉や脳、骨格筋に存在する酵素で、それらの壊死・変性・破壊などで血液中に流出します。CPKの増加は心疾患や筋肉疾患を示唆します。
心筋トロポニンTTnT50未満ng/L心筋を構成する成分で、急性心筋梗塞など心筋傷害が存在するときに高値となります。
クレアチンキナーゼ
 MBアイソザイム
CK-MB6.6以下ng/mL心筋傷害マーカーの一つで急性心筋梗塞や心筋炎で高値を示します。
脳性ナトリウム利尿ペプチド前駆体N端フラグメントNT-proBNP125以下pg/mL急性心不全、慢性心不全の病態把握、及び心機能障害の指標となります。
腎機能尿素窒素UN8.0~20.0mg/dLタンパク質の老廃物で、肝臓で作られ腎臓から排泄されます。腎臓の機能が低下すると上昇します。
クレアチニンCRE男0.65~1.07
女0.46~0.79
mg/dL筋肉内でエネルギーとして使われた後の老廃物で腎臓から排泄します。腎臓の機能が低下すると上昇します。
糸球体濾過値eGFR90以上mL/min/1.73㎡腎機能(糸球体濾過量)の推定とCKDのステージ分類の指標となります。血清クレアチニン値と年齢、性別に係数をかけて換算します。
シスタチンCCys-C男0.63~0.95
女0.56~0.87
mg/L糸球体の早期障害をとらえるための腎機能マーカーです。
アミラーゼAMY44~132U/L膵臓や唾液腺に多く含まれるデンプン分解酵素で、特に膵炎で高値となります。膵炎では血液・尿ともにアミラーゼ値が高値となります。
蛋白総蛋白TP6.6~8.1g/dL血液によって体の各部位に運ばれます。栄養状態が悪かったり、肝臓や腎臓に異常があると低くなります。
アルブミンALB4.1~5.1g/dLホルモンやビリルビン、薬剤など水に不溶性の物質を臓器や組織に運んだり、血液の浸透圧を保っています。血中蛋白の約半分を占めており、栄養不足や消化吸収障害、或いは肝障害で低値となります。
電解質電解質は生体内の水の中に溶存し、細胞内外に分布し、生体内の恒常性の維持に重要な酸塩基平衡や浸透圧の調節に大きな役割を果たしています。
ナトリウムNa138~145mmol/L飢餓や栄養不足、嘔吐・下痢等で高値となり、腎不全、肝硬変やネフローゼ症候群、利尿剤等で低値となります。
カリウムK3.6~4.8mmol/L高度な腎不全や強い熱傷などで高値となり、飢餓や栄養不足、嘔吐・下痢などで低値となります。
クロールCl101~108mmol/L飢餓、栄養不良、嘔吐、利尿薬使用などで低値となり、脱水や腎不全などで高値となります。
カルシウムCa8.8~10.1mg/dL神経・筋の活動を調節し促進させたり、血液凝固に関与しています。副甲状腺機能亢進症、悪性腫瘍などで高値となり、副甲状腺機能低下症、慢性腎不全、ビタミンD欠乏症などで低値となります。異常高値では意識障害を起こします。
無機質無機リンIP2.7~4.6mg/dLCa濃度の調節、エネルギー代謝、酸―塩基平衡の調整に関与しています。腎不全、副甲状腺機能低下症などで高値を示し、副甲状腺機能亢進症、ビタミンD欠乏症、摂取不足などで低値となります。
免疫血清検査
検査項目略語基準値単位検査結果の解釈
炎症反応C反応性蛋白CRP0.00~0.14mg/dL炎症や組織の破壊により血液中に早期に増加する蛋白です。疾病が快方に向かうと速やかに消失します。
赤血球沈降速度(血沈)ESR男2~10
女3~15
mm/時血液成分の異常や炎症の程度などの補助診断を行います。炎症や組織の破壊、貧血、血漿蛋白異常などで亢進します。
リウマチ関連リウマチ因子RF15以下IU/mLリウマチの予後の判定、治療効果の判定などに有用です。
マトリックスメタロ
プロテイナーゼ3
MMP-3男35.2~123.8
女16.1~ 56.8
ng/mL滑膜表面細胞から産生される酵素で、MMP-3高値は増殖性滑膜炎の程度を意味しています。リウマチ患者の6~12ヵ月後の骨破壊を予測する指標となります。
抗シトルリン化
ペプチド抗体
抗CCP抗体4.4以下U/mLリウマチ発症早期から陽性となり、リウマチの早期診断に有用とされています。現在、抗CCP抗体はリウマチに対して感度・特異性ともに最も高い検査といわれています。
免疫グロブリン免疫グロブリンIgGIgG861~1747mg/dL免疫グロブリンとは、微生物から身体を守る働きを持つタンパクで、5種類(IgG・IgA・IgM・IgD・IgE)が存在します。免疫グロブリンが減少すると感染症に罹りやすく、また治癒しにくくなります。先天性免疫不全症、ネフローゼ症候群、甲状腺機能亢進症、副腎皮質ステロイド剤・免疫抑制剤などの服用で低値となります。逆に免疫グロブリンが増加した場合は、慢性炎症による免疫系の活動が刺激されていたり、自己免疫疾患などの免疫調節異常などが考えられます。多発性骨髄腫や肝硬変、感染症、膠原病などで高値を示します。
免疫グロブリンIgAIgA93~393mg/dL
免疫グロブリンIgMIgM男33~183
女50~269
mg/dL
補体・その他補体蛋白 C3C373~138mg/dL主に感染防御に重要な働きを持ちます。感染症、炎症などで高値となり、SLE、悪性関節リウマチなどで低値となります。
補体蛋白 C4C411~31mg/dLと同様に感染防御に重要な働きを持ちます。SLE、DIC、慢性肝炎などで低値となります。
血清補体価CH5025~48U/mL補体とは血液を溶血させる機能を持つタンパクで、免疫複合体疾患、慢性肝疾患、補体成分欠損症などで低値となり、炎症等で高値となります。
フェリチンFER男25.8~280.5
女 4.2~136.7
mg/dL体内に鉄を貯蔵するために鉄と結合するタンパクで、貧血や各種悪性腫瘍、炎症など様々な病態で高値となります。
シアル化糖鎖抗原KL-6KL-6500未満U/mLⅡ型肺胞上皮細胞で産生されるシアル化糖蛋白抗原で、間質性肺炎と非間質性肺炎の鑑別、間質性肺炎、過敏性肺臓炎、放射腺肺臓炎などの活動評価、肺の線維化をきたす一部の感染症の診断などに有用なマーカーです。
B型肝炎HBs抗原HBsAg(-)
0.05未満
IU/ml現在B型肝炎ウイルスに感染しているかを調べる検査で、陽性であれば1~5ヶ月以前にB型肝炎ウイルスに感染している可能性を示唆します。B型肝炎は母子感染または血液や体液を介して感染します。
HBs抗体HBsAb(-)
10.0未満
既にB型肝炎ウイルスに感染し、その抗体(免疫・抵抗力)があることを示唆します。肝炎治癒後1~2ヶ月して出現します。またHBワクチンの接種によっても抗体を獲得し、(+)陽性になります。
HBc抗体HBcAb(-)
1.0未満
B型肝炎ウイルスがCore(芯)を形成し、肝細胞を破壊すると出現します。低値では既往感染を示唆し、高値では現在感染状態であることを示唆します。
HBe抗原HBeAg(-)ウイルスが多く活動性が盛んで感染している肝細胞から分泌され、感染力が強いことを意味します。
HBe抗体HBeAb(-)肝炎が沈静化してHBe抗原が陰性化すると出現します。ウイルスの増殖は弱く感染力も低くなります。
HBV-DNAHBV-DNA(-)遺伝子の一部を試験管内で約1億倍に増やしてウイルスを検出する方法で、B型肝炎ウイルスに感染しHBs抗原がまだ検出されない時期からウイルスを検出することができます。
C型肝炎HCV抗体HCVAb(-)
1.0未満
C.O.IC型肝炎ウイルスに感染しているかを調べる検査で、陽性であれば既往感染もしくは現在感染状態であることを意味します。B型肝炎と同様に血液や体液を介して感染します。
HCV-RNAHCV-RNA検出せず遺伝子の一部を試験管内で約1億倍に増やしてウイルスを検出する方法で、C型肝炎ウイルスに感染しHCV抗原がまだ検出されない時期からウイルスを検出することができます。
AIDSHIV抗体HIVAb(-)mL/min/1.73㎡HIVウイルス感染者との性行為、母子感染、または血液製剤などから感染します。HIVウイルスに感染後、6~8週間の潜伏期間をおいて抗体が陽性化し、治療をしない場合は7~9年の経過(無症候)後、AIDSを発症します。
梅毒RPRRPR(-)
1.0未満
R.U.現在梅毒の感染状態であることを意味します。梅毒のほとんどは性行為により感染します。SLEやリウマチなどの膠原病、ウイルス感染症、非定型肺炎、ハンセン病等の疾患で陽性を示すことがあります。(生物学的偽陽性)
TP抗体TPLA(-)
10.0未満
T.U.梅毒に感染し既に抗体があることを意味します。梅毒感染後4週以降に陽性となります。
腫瘍マーカー一般的に腫瘍マーカーは、腫瘍の診断補助・治療などの経過観察に用いられている検査です。複数の腫瘍マーカーを組み合わせることによって、より診断効率を高めることができますが、基準値を越えたからといって必ず腫瘍があるというわけではありません。
癌胎児性抗原CEA5.0以下ng/mL肺癌・胃癌・大腸癌など多くの消化器癌で高値となり、特に結腸・直腸癌に有用です。またヘビースモーカーや糖尿病でも高値となります。
α フェトプロテインAFP10.0以下ng/mL肝細胞癌や肝障害などで高値となります。
CA19-9CA19-937.0以下U/mL消化器系腫瘍(特に膵癌)などで高値となります。
CA125CA12535.0未満U/mL主に卵巣癌などで高値となります。また性周期(特に月経時)及び妊婦(特に初期)で基準値を越すことがあります。
前立腺特異抗原PSA4.0以下ng/mL前立腺組織に存在する蛋白で、前立腺癌や前立腺肥大、前立腺炎で高値となります。
その他の検査
検査項目略語基準値単位検査結果の解釈
甲状腺ホルモン甲状腺刺激   ホルモンTSH0.61~4.23μIU/mL視床下部-下垂体-甲状腺系の機能評価の指標となります。
遊離トリヨード  サイロニンFT32.14~4.09pg/mL甲状腺機能の判定に重要な指標となり、主に甲状腺機能亢進症では高値を示し、甲状腺機能低下症では低値を示します。甲状腺疾患の治療経過の指標となります。
遊離サイロキシンFT40.88~1.50ng/mL甲状腺機能の判定に重要な指標となり、主に甲状腺機能亢進症では高値を示し、甲状腺機能低下症では低値を示します。
骨粗鬆症関連Ⅰ型コラーゲン架橋N‐テロペプチド(尿)NTx症例や年齢・性別で基準値が異なりますnmolBCE/mmol・CRE骨吸収マーカーの一つで、破骨細胞が吸収する際に骨表面で産生され、骨吸収面積と相関する。骨粗鬆症では高値を示します。
Ⅰ型プロコラーゲン‐N‐プロペプチドtotal P1NP症例や年齢・性別で基準値が異なりますng/mL骨形成マーカーの一つで、治療効果や治療の経過観察の指標になります。
骨型酒石酸抵抗性酸性フォスファターゼTRACP-5b120~420mU/dL破骨細胞にのみ存在する酵素で骨吸収マーカーである。骨粗鬆症では高値を示します。
低カルボキシル化オステオカルシンucOC4.50未満ng/mL骨におけるビタミンK作用不足の指標となり、ビタミンK欠乏では高値を示します。溶血により低値になります。
細菌感染症関連(1→3)-      β-D-グルカンβ-Dグルカン8.0未満
陰性
pg/mLβ-Dグルカンは真菌の主な細胞壁構成成分で、深在性真菌症、ニューモシスチス肺炎などで高値となり、診断・経過観察の有用な指標となります。11.0以上は陽性となり8.0~10.9の場合は境界域となります。
プロカルシトニンPCT0.5以下ng/mLPCTはカルシウム調整ホルモンであるカルシトニンの前駆体で、正常ではPCTとしては血中に放出されない。重症細菌感染症では、甲状腺外でPCTが産生され血中に分泌されます。血中PCTは細菌による敗血症の鑑別診断及び重症度評価に有用です。
抗酸菌感染症関連Tスポット.TBT-spot(-)BCG接種やほとんどの非結核性抗酸菌の影響を受けずに結核感染の有無を診断できます。
感染リスクが想定される医療従事者の健診、結核患者との接触者健診として利用されます。また活動性結核の補助診断、関節リウマチ患者や透析患者など免疫抑制状態にある患者の健康管理にも有用です。
クォンティフェロンQFT
MAC抗体  (抗酸菌抗体定性)MAC抗体0.70未満U/mL肺MAC(Mycobacterium avium complex)症を診断する検査法として利用されます。